紐状異物の猫

昨日から食欲不振で頻回嘔吐している猫ちゃんが来院した。

お尻から紐が出ていることを指摘したところご家族さんがお尻から出ている紐を見つけてネットで検索し引っ張ることなく鋏で長いところだけ切ったとの事。
造影レントゲンでは紐を誤食した時に腸が捩れてしまう典型的な所見が見られた。
超音波画像診断では閉塞部位の上部で液体貯留が見られ超音波画像診断からも腸閉塞が確認された。
麻酔をかけて開腹し、紐で捩れてしまった腸から紐をとり動ける状態にしてあげます。
紐状異物の誤食では腸が捩れすぎて血行障害を起こし壊死(腐ってしまう現象)してしまうことがあり、そのようなケースだと腸の腐った部分を切除し、残った腸同士を繋ぎなおす手術が必要になるパターンに遭遇するが、この子は誤食後、比較的早期処置出来たため腸の中から異物を摘出するのみであった。
結局この猫ちゃんは梱包用のビニール紐を食べてしまった様でこの写真の様なとても長い紐が腸の中からとれた。

この症例で重要な点は肛門から出た紐を引っ張らなかった事。ご家族の大変良い判断である。引っ張ると紐が絡まった腸が引きちぎれてしまう事があるため注意が必要である。