ウサギの皮下膿瘍

顎の下に腫瘍が出来たことを心配されて来院された1歳半のウサギ。
部位から下顎の根尖膿瘍が疑われたため、腫瘍などの鑑別のためにレントゲンと細胞診を実施。
レントゲンを顔の側面および少し頭を傾げさせて撮り顎骨から歯が抜け出ていないか確認した。
細胞診兼穿刺すると乾酪様物質が出てきたため膿瘍の診断として細菌培養(主にパスツレラ症がないか)を行い、切皮して膿を排膿し、傷がしばらく塞がらない様に小さいガーゼをつめて、ゲンタシンそのガーゼに含ませる様に処方。また内服としてニューキノロン系抗生剤を処方して経過を見ている。

再燃するケースでは下顎の歯根に膿瘍の原因がある事があり、ケースによっては抜歯が必要となる事もある。

ウサギの皮下膿瘍は臨床獣医師であれば必ず頻繁に経験するありふれた疾患であるがしつこく、実に手強い病気である。