巨大筋間脂肪腫

後肢の筋間に生じた15cm×12cmの脂肪腫のオペを依頼された。

この脂肪腫は大腿直筋と縫工筋と内側広筋の間に形成されていた。

脂肪腫は通常摘出が容易であるが、今回のケースのように実際開けてみると筋肉の中から生じている事や筋肉と固着している事をごく稀に経験する。

そして皮下の脂肪腫に比べ後肢の筋間は全筋肉と神経、大腿動脈との位置関係から脂肪腫そのものの区画の露出を行うまでが皮下に比べて意外とちょっと手間がかかる。
まずは膨らみの近くを剥離し、外観が『脂肪腫の外側の外観』になるまで剥離していく。
脂肪腫は非常に摘出しやすい良性腫瘍である。解剖学的にどのあたりを処置しているか、それといかに区画を綺麗に露出できるかが術者を楽にするかを決める要素である。
外科においてストレスを一つでも減らして進むことは術者にとってとても重要な事で、それをうまく出来る術者はより効率的に手術を味方につけて進めることが出来る。術野の確保もその一つだと常に感じている。

この良性腫瘍はヒトでは遺伝性の指摘がされているがその発声に関してははっきりとした原因自体は分かっていない。