犬の嵌頓包茎

拡張術後の包皮
拡張術後の包皮



  本日は非化膿性脳脊髄膜炎の犬、猫リンパ球性胆道肝炎、乳腺腫瘍、褥瘡の犬のデブリと昼の予定みっちり


何度も包皮嵌頓を繰り返す症例がやって来た。

 この疾患には先天的なものや後天的なものがある。割と良く遭遇する。成因が持続性勃起に関連するものと判断された場合、去勢手術が推奨される。
また基本的対策として
①冷水で冷やす
②グリセリンなどの潤滑剤の塗布
③包皮を頭側に牽引しながら陰茎を尾側に牽引する
と言う対処で多くの症例は対処が可能である印象である。 
④毛が陰茎に挟まっている例も見るので、陰部周辺の毛が長い症例は毛刈りは行っておいて良い。

過去の経験をふまえると、ほとんどの症例で内科的な治療で改善する。しかし度合いと成り立ちはまちまちである。ものによってはいかなる内科にも反応が鈍いものもあり、これは嵌頓包茎に含まれる成り立ちがさまざまな背景と要素がある事である。

再発を繰り返す嵌頓包茎に対しては外科的にアプローチすると判断した場合、以下の手順で行う。

この症例においても基本的対策を講じたものの嵌頓が重度で、ホルモン性基礎疾患もなく、かつ去勢もなされている症例であったためQOLを重視し、包皮口拡張術を施術する事とした。この手術は難度が低く、かつこのように再燃例で内科的反応が困難な場合、QOLを上昇させる方法である。
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