猫の気胸2/10.22

猫が緊急で呼吸切迫搬送されて来た。

閉鎖性気胸と診断し、緊急で酸素吸入+胸腔穿刺でケアし、胸腔内を陰圧にし猫の呼吸が安定することを見届け、経時的に続けて空気が貯留してくるか一旦反応を見る。気胸は肺が破けて胸の中に空気が出てしまう事で出た空気そのものがどんどん増え肺が膨らめなくなり呼吸困難を起こし、また空気が胸に漏れることで胸の内圧があがり血管を圧迫する事で心臓に戻る血液が戻らなくなりショック(閉塞性ショックと呼ばれる)を起こす危険な状態なので迅速なケアが必要となる。


本症例は外傷の痕跡を示すような異常は見られず、当然外出などのhistoryもなく、環境要因からは自然気胸が疑われた。ブレブやブラに由来する事が多いため確認のために可能な限りCTを要する→呼吸器

胸の中に空気が進行性再貯留するようならCD(胸腔ドレイン)を予定したが、この子は再発を免れ一過性で無事に回復した。
発症から半年経過の今も再発を見ない。115

自然発生気胸はいつ起こるかは決まりはないがブレブと呼ばれる肺の脆弱な袋が出来ている事があるため再発に注意が必要である。また肺腫瘍による肺の損傷も必ず確認する必要がある。