ハムスターの皮膚腫瘍

ハムスターの皮膚腫瘤は実に多い。

ハムスターの皮膚腫瘍を見かけたら以前に挙げた通り以下がが鑑別となる。
角化上皮腫、汗腺腫、細網細胞肉腫、繊維肉腫、扁平上皮癌、皮膚型リンパ腫、肥満細胞腫、乳頭腫、皮脂腺腫などが割と多いが、部位的に体幹腹側だと脂肪腫、乳腺癌、乳腺腫、嚢胞性乳腺腫、汗腺腫、組織球腫などが鑑別である。
外観的な特徴として皮膚リンパ腫は身体の様々な部位で潰瘍を形成ししこりを作らない点で他と異なる。初期であると一般的な皮膚病として鑑別に入れず発見が遅れる事がありうるために注意が必要である。皮膚リンパ腫(上皮向性リンパ腫)は高齢のゴールデンハムスター通称キンクマによく見られるリンパ球タイプはTcellと言われる(Harvey et al.1992)。話は脱線したので下記でハムスター皮膚腫瘍総論を見ていこう。

 また少し前のデータとなるがハムスターの皮膚腫瘍の発生率を研究した調査があるので紹介する。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma1951/56/6/56_6_387/_pdf/-char/ja

今日は手術室の予約が一件だったため当日オペを引き受けた。
手順は
・術前に皮下点滴による水和と酸素室管理で酸素化を実施。
・保温パットの上で吸入による麻酔導入
・患部の消毒
・手術
・術後2時間の酸素テントで酸素化と患部の確認
を行う。
当院では小型ハムスターの皮膚はマイナーやある種の眼科で使用する6-0の吸収性縫合糸を使用している。なお術後カラーは使用しない。