新薬開発、医療の充実と意識改善に伴い、ヒトと同じく動物も高齢化を迎えてきております。それに伴いヒトと同じく認知機能障害等のQOL(生活の質)に影響を及ぼす脳神経疾患も増えてきております。
症状は夜泣き、徘徊、排便排尿障害等の代表的な症状から不活発、性格変化など多岐にわたります。以前までの獣医療ではこれらをひとくくりにして寝かすための処方に徹する傾向にありました。しかしこの多岐に及ぶ症状は各脳神経システムの破壊によるサインであることを見逃してはならないと考えております。つまり症状が多岐であるということは、原因も多岐にわたります。よって治療法も個々で異なってきます。実際、神経学的検査法から推定された脳神経システムの異常に対し、正確にアプローチすると従来のような雑な処方の必要もなく、かつ本来の性格や生活を取り戻す事が可能となります。また本来の運動性に戻してみることにより寝たきりを回避させる事ができ、それにより寝たきりから起こる二次的障害(敗血症、床ずれ、循環不全等)を抑制することも可能です。