多小葉性骨軟骨肉腫(MLO:Maltilobular tumor of bone)

犬における頭蓋内腫瘍の発生は10万頭に14.5頭とされる。

原発性腫瘍としては髄膜腫が最も多く、星細胞腫、希突起膠細胞腫順の順である。

 

【概要】多小葉性骨腫瘍は頭蓋骨、顎骨に発生する。通常境界は明瞭である。通常成長は緩徐であるものの、局所浸潤性が強く、進むと悪性の骨肉腫や軟骨肉腫に変換することがある。悪性に変わると遠隔転移する。

【症状】症状の発症は眼球や脳への圧迫によるものが多い。

【治療法】外科切除のみである。RTが併用される事もある。

【予後】

 ・局所再発率は47~58%(完全切除後で42%、不完全切除で77%)

 ・遠隔転移は56~58%

 ・術後再発までの期間14~26カ月

 ・転移まで18カ月

 進行が遅いため完治できなくとも延命効果はある。