1:活動制限
体を動かすと酸素消費が必要となるため、肺水腫等の低酸素血症が想定される状態
では、可能な限り散歩等の運動は制限にする。
2:酸素吸入→酸素ケージ内環境は40~50%酸素濃度、温度18度設定
3:薬物療法
A:超緊急時
(緊急プロトコル・・・2+3A①②を行う)
①2%ニトロ軟膏
Dog:0.5~1.5インチ(8~19㎎)を耳介または鼠径部
cat:0.25~0.5インチ(4~8㎎)を耳介または鼠径部
②利尿剤療法
Dog:Lasix2~4㎎/㎏ IV or IM q1~4h
cat:Lasix1~2mg/kg IV or IM q1~4h
⇒呼吸状態が安定化したらq6~12hに切り替える
※Lasixは15~30分以内に利尿効果がでる。2~4hは効果が持続
B:安定状態になった場合or最初から血管確保が可能なら
(救急プロトコル・・治療効果の強さ3B①単独<3B②③併用<3B④③併用)
①アクトシン
Dog:20μg/kg/min IVCRI
10~30mg/kg IVslow q4~6h
cat:20μg/kg/min IVCRI
※効果は陽性変力作用&血管平滑筋弛緩作用
※血管炎をおこしやすいため、数日に一回IVルートの変更
※投与中の低血圧注意
※禁忌・・・左室駆出障害(大動脈狭窄、閉塞性肥大型心筋症)
②ドパミン(イノバン注)
イノバン注 Dog:1~10μg/kg/min
cat:1~5μg/kg/min
③ドブタミン(ドブトレックス注)
ドブトレックス注 Dog:1~10μg/kg/min
Cat:1~10μg/kg/min
※ドブは心拍数&後負荷に影響しにくいため、肺動脈楔入圧低下に期待
④ニトプロ(ニトロプルシド・ナトリウム)
Dog:0.5~10μg/kg/min
Cat:0.5~10μg/kg/min
※前負荷&後負荷の顕著軽減(動静脈拡張作用はニトログリセリン以上)
※効果強く、早いので必ずECG&血圧モニター
※代謝されシアンになるため、初期低用量(0.5~1μg/kg/min)開始し、
至適容量(5~7μg/kg/min)にして、6時間かけて離脱
C:輸液量・・・利尿開始2時間の尿量÷3(通常3~5ml/kg/h)
初期対応;酸素テント(35-40%)、利尿剤投与
重度:カリペリチド0.025~0.05μg/kg/min IV CRI
フロセミド2㎎/kg SC q1h or 0.3~0.7mg/kg/h IVCRI
テルブタリン0.01㎎/kg SC TID
マロピタント1㎎/kg SC SID
オルビフロキサシン5mg/kg SID
ピモベンダンTID
鑑別診断
来院⇒問診⇒身体検査(主観情報:呼吸様式、CRT、姿勢、粘膜色、動脈拍動。バイタルサイン:体重、体温、呼吸数、BCS、心拍数、血圧、SPO2)⇒血液検査+胸部レントゲン+超音波⇒留置確保し酸素室に収容しインフォ
胸部レントゲン VHS
超音波 LA/Ao
LVDd
LVDs
LVPWd
LVPWs
IVSd
IVSs
FS
EF
E/A
LVOT Vmax
LVOT maxPG
RVOT Vmax
RVOT maxPG
MR Vmax
MR maxPG
安定してきたら酸素濃度30%トライ
ステージング
ステージA;心疾患を生じるリスクはあるが、まだ器質的心疾患を発症していない段階。
ステージB;器質的心疾患は存在するが(MRでは心雑音を呈する)、心不全による臨床
徴候を発症していない段階。
B1:器質的心疾患は存在するが無徴候でレントゲンとエコー正常
B2:無徴候であるが血行動態的に重度のMRがあり、レントゲンやエコーで左
心拡大あり
ステージC;過去または現在MR心不全徴候呈したことあり。
ステージD:進行したMRで心不全の臨床徴候あり、標準的心不全治療に難治な段階。