『私たちは日々食事することにより栄養を体に送り、生きる事を可能にしています。これは食事を消化管で吸収出来るサイズまで細かく消化し、血液を通して体中の細胞へ輸送するという日々当然のように行っている作業なのです。しかし消化管の病気や口から腸へ食事を入れられないという特定の病気にかかったりした時、そんな状況から回復までの期間も体は栄養が必要です。また回復するために各細胞自体も栄養が必要となります。そんな時に用いるのが静脈栄養法です。我々も病院にいった時に経験があるようにペット達も手足等の細い血管にカテーテルというチューブを入れる点滴を行いますが、手足の血管では一日の食事量に匹敵する栄養をいれる事ができません。より太い血管から栄養を体内へ注入する必要があります。そこで行われるのが中心静脈カテーテル法です。写真のように頸部の太い静脈血管に長いカテーテルを挿入する事により比較的長期でかつ安全に、またペットへの負担も少なくよりクオリティの高い栄養供給が可能となります。』
はじめに全身麻酔で導入し、術野の剃毛および消毒を速やかに行います。このとき、術後に撮るレントゲンのセッティングもクランケに無駄な麻酔時間を負わせないために、事前に行っておきます。
麻酔導入下で頸部に切開をいれます。そして頸静脈を露出させます。
露出させた頸静脈に中心静脈カテーテルを留置し、心臓手前まで慎重に探査しながら進めます。この時、カテーテル先端は胸部へ達しているためカテーテル操作は慎重に行わなくてはなりません。かつ完璧な滅菌状態である必要もあります。
切開した皮膚および下組織を完全に縫合します。この後、レントゲンでカテーテル先端の位置を確認し、微調整を加えます。
内頸静脈CVCカテーテルのレントゲン写真
術後無痛のため神経ブロックを施し、外部を固定します。