今後、ウサギにおける代表的疾患であるスナッフル、ウサギの前庭疾患、毛玉症、不正咬合などを順次掲載を予定している2020.8
割と頻度の多い病気の一つが消化管運動障害。この子は2歳で元気食欲なく、便も出ないと来院。
左の写真のオレンジ矢印で示したお腹の中の黒い部位はすべてたまったガスです。
何らかの原因でお腹が止まり菌が過剰発酵を起こしPHを下げガスが溜まりさらに運動性を失ってしまう状態に陥ってしまっていることがわかります。腸毒素血症という腸の菌が作り出した毒ガス毒素が体内をめぐると命に係わる大変危険な状態です。
症状から消化管機能障害が疑われたため迅速に画像診断と血液検査を行い、点滴、消化管機能改善薬、全身的抗生物質療法、食欲増進剤、強制給餌等の治療に入りました。
内科治療5日後消化管のガスは消失し食欲も改善し元の生活を送れるようになりました。
この病気は様々な病態の総称で毛玉のケア、ストレスによる腸内菌バランスの変化からPHの変化が起こることに関係していることも多いため、多角的な対策を練りましょう。
ガスがなかなか減らないときはシメチコンというお薬を20-40mg/body一日三回飲ませながらお腹のマッサージ、強制給餌を実施すると良いです。