他院よりご紹介で再発を繰り返す前肢の不全麻痺を起こしたmix犬が来院された。
この病気は犬猫では比較的珍しい炎症性神経疾患である。
犬ではCummings et al により1973年に紹介され、猫ではBright et al により1978年に紹介されたのが始まりである。
多くは急性に発症し、前肢の不全麻痺、脊髄反射の欠如や低下を起こす事が多い。
罹患した動物は前肢で除神経に一致する広汎性のEMGの変化と前肢の筋群における神経原性萎縮が認められる。
病理学的には著しい単核細胞の炎症性浸潤を伴う、重度の上腕神経叢のワーラー変性が腹側神経根で見られる。
この病気は免疫性疾患が疑われている。
原因に関して犬猫では散発的な症例報告が本疾患について馬肉食の犬一頭(de Lahunta1983)、ワクチン関連性犬一頭と猫一頭についての報告がある。ワクチン投与後の報告はMiller et alにより2000に、ウイルス感染による発症はFabian et alにより1997年に報告されている。現段階では上腕の神経叢をおかし衰弱させる免疫アレルギー性のメカニズムが考えられている。同様の神経徴候を示す疾患は数多いがこの疾患も鑑別に入れておいでも良いだろう。
本例では前肢の不全麻痺を繰り返していて、非疼痛性のLMNsを示し筋萎縮が見られた。原因は明確ではなかった。
治療はグルココルチコイドおよび免疫抑制剤にて行われる。またアレルゲンが特定できるものがある場合は回避が治療となり得る。
2021.11.6
この病気は犬猫では比較的珍しい炎症性神経疾患である。
犬ではCummings et al により1973年に紹介され、猫ではBright et al により1978年に紹介されたのが始まりである。
多くは急性に発症し、前肢の不全麻痺、脊髄反射の欠如や低下を起こす事が多い。
罹患した動物は前肢で除神経に一致する広汎性のEMGの変化と前肢の筋群における神経原性萎縮が認められる。
病理学的には著しい単核細胞の炎症性浸潤を伴う、重度の上腕神経叢のワーラー変性が腹側神経根で見られる。
この病気は免疫性疾患が疑われている。
原因に関して犬猫では散発的な症例報告が本疾患について馬肉食の犬一頭(de Lahunta1983)、ワクチン関連性犬一頭と猫一頭についての報告がある。ワクチン投与後の報告はMiller et alにより2000に、ウイルス感染による発症はFabian et alにより1997年に報告されている。現段階では上腕の神経叢をおかし衰弱させる免疫アレルギー性のメカニズムが考えられている。同様の神経徴候を示す疾患は数多いがこの疾患も鑑別に入れておいでも良いだろう。
本例では前肢の不全麻痺を繰り返していて、非疼痛性のLMNsを示し筋萎縮が見られた。原因は明確ではなかった。
治療はグルココルチコイドおよび免疫抑制剤にて行われる。またアレルゲンが特定できるものがある場合は回避が治療となり得る。
2021.11.6