短頭種の麻酔

今日は短頭種手術であったが、手術もさることながら短頭種の犬の麻酔覚醒は獣医師なら非常に気を遣うのは言うまでも無い。


自分は短頭種の覚醒時にはメデトミジンを使用しているので一つのやり方を紹介する。


【順序と方法】

手術が終わったら

自発呼吸を確認

メデトミジン1〜3μg/kg IVslow

(生理食塩水50mlにメデトミジン0.5ml→0.1ml/kg=1μg/kg)

モニターで確認し①心拍数⤵️②血圧⤴️が確認されたら中止で反応を見る。

※1μg/kg  IVで相当心拍数落ちる。

10-20分待ち覚醒が遅かったら拮抗薬メデトミジンを投与。(生理食塩水50mlにアチパメ0.5ml作っておく)メデトミジン投与量の10〜50%量をゆっくり5minくらいかけてIVする。あまり入れすぎてメデトミジンの作用を消しすぎない様に。

穏やかな覚醒と抜管


※最近は筋注で実施することもあるが筋注でも同様の効果が得られている。



原則、言うまでもないが心疾患への使用は注意するべきである(低用量でも末梢血管収縮による血圧を上げるためACVIM-B2以下は気にせずだがB2以上の心疾患注意が必要である)

 

使ったことがない方いらっしゃったら皆さんも明日から是非使ってみてください。

 

メデトミジンのメデトミジン誘発性嘔吐、低体温に対する対応はこちらを参照に

嘔吐対策

https://doi.org/10.12935/jvma1951.49.107

 

低体温対策

https://doi.org/10.2327/jvas.42.7