ATE

ATE

 


動脈血栓塞栓症は心臓内で形成された血栓が血流により血管に詰まった状態です。


【好発部位】

・腹部大動脈分岐部(鞍状血栓)

・前肢


【機序】

心臓を含めた血管壁の損傷血流の停滞凝固亢進


【症状】

・急性不全麻痺(麻痺)

・激しい疼痛(疼痛)

・ナックリング

・脈圧触知不能

・蒼白

・変温性

±直腸温の低下(⇒予後因子)

激しい痛みと不全麻痺を起こし、大腿動脈の脈圧が触知できなくなり患肢は冷たく、時間と共に壊死する。肉球の色は蒼白〜紫色になる。


心疾患を伴うもので肺水腫に伴う呼吸困難、頻呼吸を起こすケースもあるが、痛みとの鑑別が必要である。


【診断】

・上記症状

・血液検査

 CPK上昇

 ±腎臓

 ±肝酵素

 カリウム濃度(全身血清/患肢血)この  

  差が2.5mEq/Lの場合、再還流障害リス  

  ク高く『断脚』適応となる。

・レントゲン胸部

 心不全

 肺腺癌によるATE

・心電図

 頻脈

 上室性期外収縮

 心室期外収縮

・心エコー


【治療】

ICU

・フロセミド間欠投与

・疼痛管理

 ・フェンタニル0.2-0.4mg/kg iv q4-6h

 ・ブプレノルフィン0.02mg/kg iv q6-8h

・循環管理(HCMある場合)

 ・低用量ドブタミン(5μg/kg/min)+輸液

 ⇒安定で心不全の治療薬

・血栓抑制

 ・ダルテパリン200IU/kg→100IU/kg q6h

 ⇒安定でクロピドグレル18.7575mg/頭 SIDに移行